「彼岸」について
 
  「此岸」とは
  煩悩が満ち迷いの世界がこの世です。此の世では、魂の仮の姿として、与えられた生命を大事にして、
  真理を探究し、此の世の為に修行する場。
  
  「彼岸」とは
  悟りの境地である涅槃(あらゆる精神的動揺が取り払われ、安定を得た状態)の世界であの世とも申し
  ます。
  
  あの世は、魂の心理の世界。しかし此の場に到達するには、御神佛様が、仮の世に生かされた魂の行
  業に依り、裁断を下し、天界に入界する魂以外は、六道に分け入れ、その場で年月をかけ、霊格を上げ
  る為に真理を探究し、修行三昧で送り、煩悩が取れ死を納得できたときに入れる世界。
  ほとんどの人は、今の自分は死んだら全て終わり、無になると思い、心無い大人達は、此の世の行業
  に善悪も考えず、思いのままに過ごされます。実に哀れな事です。
  魂は永遠に存在し、此の世とあの世を数え切れないほどに行き来している様です。これを輪廻転生と
  申します。
  
  此の世に生まれ何らかの原因で魂を包んでいた衣(肉体)の活動が止まり、死を迎える寸前に、魂が衣
  から離脱し、空間に浮遊し意識が無であったり、ぼやけて居ります。数日後、意識が戻ってきた時に、
  自分が魂のみの死者である事を理解が出来れば、死を納得し、自ら霊界へ向かって進みます。これを
  得度した、とも申します。しかし残念ながらこの様にスムーズに霊界へ進む方はほとんど有りません。
  それは、今迄に生活していた場所に自分の死を悟らせる物、事が現れていない為に死後の魂に意識が
  戻った時には、夢から目覚めた気分で生前と同様に生活を始めます。この様な状態を長く続けると、
  やがて辛くなり、子孫に霊障として憑き、生きる者を苦しめる結果になりかねません。この様にならぬ
  様、一刻も早く、死者の魂に死を知らせる事が大事なのです。その為には、立派な葬儀や戒名付けは
  何の意味も無く、霊魂を浮遊させる原因になってしまいます。ので、まず、俗名で白木の位牌に故○○
  ○(此の世の名)之霊と中央に書き、両脇に死亡年月日と死亡年齢を書き記す事です。塔婆も同様で
  す。この様にしますと死者が見てすぐに自分の死を知る事が出来、此の世を諦めて霊界へ進む気持ち
  にさせる事が可能になります。その時に、死者の為の正しいご供養を施すと素直に死を受け入れ自ら得
  度をされます。此の世の子孫の方々が誠の御供養をする事で、ご神佛様や、力あるご先祖様からお導
  きを頂き、彼岸へ渡る事が出来、御成仏への道が開かれるのです。特に、春と秋の彼岸は大事な御供
  養の時です。